当記事はこんな方におすすめ!
- ステージ0の乳がんと診断された際の体験談を聞きたい
- ステージ0乳がんに対してどんな治療法を選択をした?
- 術後の生活への影響や再発リスクとどう向き合ったの?
乳がんと診断されると、誰もが不安や恐怖に直面します。
「ステージ0」と言われても、治療やその後の生活にどのような影響があるのか、悩むことも多いでしょう。
私自身も2020年にステージ0の乳がんと診断され、手探りで対処してきました。
この記事では、私の体験を通して、ステージ0乳がんの治療や手術後の生活、再発リスクに対する予防などを少しでも伝えられたらと思います。
少しでも安心して前に進むための参考にしていただければ幸いです。
乳がんを発見したきっかけ
私の場合、自分に「乳がん」が見つかるとは思いもしませんでした。
ですが、SNSやメディアなどから乳がんについて耳にすることも多く、どこかで「気をつけなきゃ」という気持ちは頭の片隅にありました。
乳がんの発見した経緯をお話すると、私の場合は体調の変化がきっかけで乳腺外科までたどり着けたと思っています。
当時は仕事も忙しく、結婚や引っ越しなどの環境の変化が立て続けに起きたこともあって、生理不順への悩みがあったのです。
その悩みをきっかけに、体のコンディションを正常に戻そうと婦人科の病院に相談に行くことが何度かありました。
検査をしてもらっても問題となるような異常はなく、ホルモン注射を一度受けて様子見をすることに…。
そんなことから、しばらくしてお風呂に入ろうとしたら、右胸からほんの少し出血したような跡があったことに気付いたんです。
⁉⁉⁉
そのときは訳が分からなかったんですが、「怖い病気かもしれない」と思い、専門の乳腺外科に行くことにしました。
大きな病院で「乳がん」と診断
実際に病院に行って診てもらうと、「しこり」のようなものは見当たりません。
確実な原因が分からないまま病院を後にし、しばらく様子見をしたのですが、状況は変わらず…。
実際は痛みや不快感などはなく、仕事に追われていたため、2度目の病院まで半年くらい間をあけてしまいました。
もっと早くいけば良かった…。
再度、病院で「病理診断」をして詳しく調べていただきました。
結果的にエコーでしこりは見つからないものの、「腫瘍の疑いがある」とのこと。
より詳しい検査を行うために大きな病院への紹介状をもらい、嫌な予感がしながらも検査を行うこととなりました。
大きな病院で「ステージ0非浸潤乳がん」ということが判明
放っておくと状態が悪化するため、「入院して手術を受ける必要がある」と説明を受けました。
え⁉本当に私が乳がんなの?
病状を告げられた時は、自分のことではないような気がしながらも、緊張していたと思います。
その日は夫も一緒に説明を受けに来てくれていたので、自分が病気になってしまって申し訳ないような気持ちになったものです。
根本的にネガティブな私ですが、病状を聞いたときは何故か自分でもびっくりするほど冷静でした。
いや、もしかしたら放心状態になってただけかもしれません。
「これから何が自分に起こるのか」といった不安はありましたが、
「とにかく良い方向へと進むしかない」という気持ちでいっぱいだったことを覚えています。
乳がんステージ0の治療法の選択
先生の説明を聞いていく中で乳がんにステージがあり、私は本当に初期の段階ということがわかりました。
ステージ0の乳がんは、まだ乳管内にとどまっている状態で、浸潤していないという特徴があります。言い換えれば、がん細胞が他の組織に広がっていない可能性があるという段階です。
最初に決めることとなったのは、治療法の選択です。
びっくりしたのは、ステージは低いけれど全摘も選択肢の一つに入っていたこと。
手術することは確定したものの、乳がん初期段階でも「全摘か温存か」の選択をする必要がありました。
どちらかを選ばなきゃいけない選択には、大きな葛藤が伴いました。
医師からも妊娠の希望などを聞かれましたので、年齢によっては「子供を持てるかどうか」の分かれ道でもあります。
温存手術後は、放射線治療とホルモン療法を受けるため、治療中は妊娠することができません。
子供がほしいと強く望んでいなかったため、悩んだ末に「温存手術」を行うことに決めました。
医師の話の内容や自分の気持ちや見た目などの優先したいことを考えると、温存手術にかけたかったのです。
手術後の生活への不安と対処
無事に手術は終わりましたが、その後の生活には不安がつきものでした。
これから始まる「ホルモン療法」や「放射線治療」などが待っているため、手術を受けてからがやっとスタート地点のようにも感じます。
痛みや動きにくさは仕方ないと思っていましたが、一番怖かったのは術後の胸の状態です。
私の場合、手術で取り除く非浸潤がんは6.5㎝ほどの広がり部分。
乳房の下の方だったので、切り取られたところが大きくへこんでいるような想像をしていました。
恐るおそる手術したところを見てみると……
あれ、思ったよりも変形してない(・・?
退院後に自宅でガーゼを外してみると、自分が思ったよりも形が変わっていなかったのに少し驚きました。
触ってみても感覚がないので、やっぱり切ない気持ちにはなりましたね。
再発のリスクに対する心配
医師から再発リスクを下げるための生活習慣や治療についてしっかり説明を受けることで、少しずつ心が落ち着いていきました。
再発の不安は、ステージ0であっても完全に拭い去ることは難しいようです。
そのため、治療を行いながらできる限りの再発予防を行うことになります。
私の場合、入院から退院後の治療の流れはこんな感じです。
- 入院
- 手術
- 退院
- 放射線治療+ホルモン療法
- ホルモン療法+定期検診(5年間)
ホルモン療法は乳がんの再発リスクを減らすために、女性ホルモンを抑制する内服薬を毎日飲むことです。
退院後は放射線治療を平日のみ通院しました。
放射線治療が終わった後は、ホルモン療法と3カ月に一度、エコーや血液検査、マンモグラフィーの定期検診を行いながら現在に至ります。
薬の服用と通院期間は5年になります。
退院後の生活
退院後の生活で私が意識して行動したのが、次の3つです。
- 乳がんについての本を読む
- 毎日の食生活について見直し
- ストレスを溜めこまないようにする
再発する確率が低くても、将来的にはどうなるかわからないことです。
もしも将来的に再発したとしても、後悔が残らないように生活をしようと心に決めました。
とりあえず、食生活に気をつけて乳がん患者に適した食べ物を取り入れたり、なぜか野菜の栄養図鑑とかを読んでましたね。
その中でもとくに乳腺専門医の南雲先生の本は、とても勉強になりました。
自分の体は自分で大切にしてあげないといけないことを「乳がんの発見」で痛感しました。
不安はあるけれど、悩んでいてもしょうがないって思った
退院後の生活では、自分自身が納得した「できる限りの行動」で再発への恐怖心を減らすことができました。
手術してから早4年…。
気にしていた見た目も年々傷口も目立たなくなり、通院している乳腺外科の医師からは、「見た目は手術したことが分からないほど」とまで言われるようになりました。
医師とのコミュニケーションが鍵
私が強調したいことは、医師とのコミュニケーションの重要性です。
乳がんの状態は一人ひとり違いますし、捉え方や考え方も違います。
自分でも乳がんについて調べてみたり不安なことは医師に聞いてみたりして、納得のいく治療法を進めていくことが大切です。
治療の選択肢や薬の副作用について気になることがあれば、毎回の診察で確認すると、安心して治療に専念することができます。
もしも納得できないときは、セカンドオピニオンを受けて他の医師の意見を聞くことも良さそうです。
自分の治療に対する信頼感を高める一助となるでしょう。
ストレスや不安への向き合い方
ステージに関わらず「乳がん」と診断されると、多くの不安や疑問が生まれます。
手術の不安や術後の治療、再発に対する不安などの色々な感情が湧き出ます。
何が正しくて、重要なのかが分からなくなってしまうこともあるかもしれません。
まずは医師の説明を聞いて、自分が今どのような状況にあるのかを客観視することが大切だと感じました。
状況を受け止めて、これからの自分をどれだけ大切にして過ごさせてあげられるかによって生活は変わってきます。
なるべくポジティブに考えるようにすると、自分も前向きになりますし、家族も明るくなりますので…。
実際に乳がんになったことで、辛いこともたくさんありましたが、学んだことの方が多いと思っています。
今まで仕事や他人ばかりを優先し、いかに自分と向き合ってこなかったかを自覚することができました。
まとめ
ステージ0の「乳がん」と診断されたら、一人ひとり捉え方や治療法の選択は異ります。
しかし自分に合った適切な治療と向き合うことで、再び健康な生活を取り戻すことができるのです。
違和感を感じなくても、乳がんに対する意識は常に持ち、定期的な検診は本当に大事だと思っています。
体のちょっとした異変でも、症状にきちんと向き合い、自分を大切にしてあげてください。
乳がんの早期発見、自分に合った治療と生活を見つけて、一歩ずつ前に進んでいきたいですね。