兄の家から迎え入れることになったミーアとクオン。
今回はミーアが始めて我が家に来た日のことを話したいと思う。
ミーアはラグドールの女の子で、うちに来たときの年齢は3歳だった。
性格はというと、もともと人懐っこくて、活発、信頼している人には「いつも近くにいたい」と感じるような甘えん坊な子。
私が初めてミーアと会ったときも、兄宅にある低いテーブルの上でのんびりとしていた。
ーそして、ミーアを連れて行く日ー
自宅まで車で2時間ほど、ケージの中にいるミーアは不安からかずっと鳴き続けていた。
「ミーアはきっとうちに来てもすぐに慣れてくれる!」
と安易な気持ちで迎えに行ったけれど、
鳴き続けるミーアの隣りに座る私は、「大好きなお家から連れ去った人」
みたいに、まるで悪いことをしているかのような気持ちだった。
車に乗っている間は、少しでもリラックスできるようにYouTubeで猫がリラックスする曲を小さな音でかけたり、
ミーアが毎日遊んでいた猫じゃらしで気を紛らわせようとしていた。
なんとか無事に自宅へと到着し部屋に入る。
ケージをそっと床に降ろしたあと扉をゆっくりと開けてみた。
「クンクン」と部屋のにおいを嗅ぎながらも困惑したように、ミーアが低い姿勢で出てきた。
なるべく怖がらせないように、私はミーアのペースで自由にさせてあげようと様子を見守ることを徹した。
その間に、もとの家から持ってきたトイレを設置し、食器もフードもいつも使っているもので用意をする。
けれど、やっぱり慣れないところで不安なのか、ベッドの下に隠れて出てこなくなってしまった。
私もしばらくはミーアが近くに来るまでそっとしておいてあげようと考えていたけれど、
数時間ずっとベットの下にいるミーアが気になり、少し覗いてみることにした。
ミーアは私が覗いたところから一番離れた壁側の奥のほうでリラックスしている様子だった。
そして、こちらの様子をうかがうようにジッとこちらを見ている。
「よし、ミーアの好きなおやつを持って近づいてみよう」
私は、おやつを片手にゆっくりと、なるべく音を立てずにベットの上に乗った。
ベッドのヘッドボードの下らへんにいくと、すぐ近くにミーアがいる。
目が合ったとき、ゆっくりと瞬きをしながら「大丈夫だよ」と声をかけてみた。
最初は警戒してそうな感じではあったけれど、
隠れる、現れるを数回繰り返しながら、ゆっくり瞬きやウインクをしてみた。
はたから見ると怪しい人だけど、私も仲良くなりたくて必死。
そしたら急にミーアが「ンー?」と大きく鳴いてベッドの隙間から出て、マットレスの上に飛び乗ってきた。
まるで「なんだ、怖がることなかったじゃん」って思っているかのように、私との距離は一気に近づいた。
私の顔に一度近づいたあと、おやつを無心に食べ始める。
この日、ミーアはおやつ欲しさに出てきてくれたのかもしれないけど、
思いのほか、すぐに慣れてくれて嬉しかったことを覚えている。
おやつを食べたミーアは、家のまわりをウロウロした後、その日のうちにご飯もモリモリと食べていた。
多くの猫は、環境が変わると慣れるまでは時間がかかるから、なるべくそっとしておいてあげるのは基本なんだろうけど、
ミーアのように猫によっては、こちらから歩み寄っていって「怖くないよ」ってことをアピールするのも大事なのかなと思った。